<2007.5.20> 雨空の下を
・・・雨・・・

stage 1

”うっ冷えるじゃぁないか。。”

集中力を保てないと 雨具のフードを脱いだ頭部は 何時か

密度の濃い雨と 其れを集め勢い良く吐き出される流水の

飛沫により 襟足にかけじっとりと濡れ 等々内部まで染み

出して来た 予測以上の冷え込みに 股近くまでの立ち込みも

限界に成りそうだ 今朝の冷え込みでは目差すヤマメの活性は

低く 勢い岩魚合わせの対応と替える。

堰堤一杯流れ落ちる 壁向け打ち込んだ仕掛けは 発泡に

揉まれあっという間に駆け上がり辺りに運ばれる 何時もなら

其処まで追い掛けて来るか 待ち構えたヤマメが捕食すると

一気に落水下向け運び込んで行く その対角線上にラインを

張って遣れば 渓魚の上顎は確実に捕らえる筈だ 

雨に煙る里川

三色の目印は 駆け上がり手前で不規則な動き しかし其処から次の動作に移らない?  僅かに送り込み いちにのさんで

大きく煽ってみると ゴン! 一瞬の静から面倒臭さそうな動作で 深み向けゆっくり動き出した 岩魚かい。。。



そぼ降る雨の中で岩魚

雨雲の下粘る雨男二人

移り気な空に計画を 車乗り入れ可能な渓幾つか回るものに変更 人気の無い林道上は濡れ黒々と光る こんな日の

森の中は野獣の天下で 驚き逃げ惑う背中を眺めては その出迎えに浮れはしゃいでしまう 

放置され久しい渓は治山工事が進み 渓底は重機に踏み荒らされ掘り起こされて ポイントの多くは ワイヤー番線

ネットの端布等が沈み 如何にも気分が悪く早々に大移動を決め車は下る その林道上ではクロ(カモシカ)の誘いが

stage 2

黒い壁の向こうに隠れ 壷向け一気に吸い込まれる落水は

雨水を集め 更にその荒々しさを増してきてる

瀑布により産みだされる風は 潜む渓魚を人の手から遮り

安住の住まいを提供している

5Bダブル(二個付け)の錘を噛み 投げ竿を振る要領で

大きく振りかぶり思い切り打つ! しかしやはり奥までは

届いては呉れない  何時訪れても 攻略の難しいこの

滝壷 多くの大ヤマメが迎えてくれた 数年前の大雨に

土砂が入り 随分小さくなったとは言え いざ前にすると

否応なしに期待は膨らみ 血が滾るのを感じ力が入る


居付きヤマメのアタリは 直ぐ現れた!  ズ〜ッ。。。

流れに逆らい ラインが落ち込み向けて引き摺られ

意を決した様に スッと引き込まれる!

やや送り気味で ここぞとばかり腕一杯の大合わせ

・・・・ ゴン! ・・・・・

暗い壷の中でグネグネもがく魚影 時折キラリと光るのは

其れがヤマメの証しなのだろう


さっきまで収まっていた筈の雨が 竿と其れを握る手を

俄に濡らし出し始める その瞬間雨を忘れて居た様だ


                                oozeki

降下中覗き込んで

サイズは物足りないが肥えたヤマメ